#4 (完結編)セラピストNaoが行く!スリランカ・アーユルヴェーダリトリート

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ドクターからの診断と処方

トリートメントも残り2日という日の朝
『あなたのヴァータドーシャはよく鎮静されていて、今のボディータイプは カパ/ピッタよ 』 とドクター

初日のコンサルテーションでは 『リラックスとデトックスがどちらもできていない』 とのことで
「ヴァータ/ピッタ」 と診断されていた為、短期間での変化にはちょっと驚きだった。

しかし、これは元の生活スタイルや環境に戻ることで症状は繰り返す可能性が高いとのこと。
(特に日本人は休むのが苦手でしょう?と)

ここでの毎日は、よく食べよく動き、よく出すこと、そしてよく休むことでドーシャはバランスされ、アグニは良好になっているけれど、もともとの消化力は不規則でお腹が空いたり空かなかったりする「ヴィシャマ・アグニ」になりやすいとのことでした。

アグニ(消化力)の状態とドーシャの関係

アーユルヴェーダではアグニ(消化力)を4つに分類しています。

⚪ヴィシャマアグニ
=不規則な消化力 / ヴァータに影響される

⚪ティークシュナアグニ
=鋭い消化力 / ピッタに影響される

⚪マンダアグニ
=鈍く、弱い消化力 / カパに影響される

⚪サマアグニ
=正常な消化力 / トリドーシャがバランス

そこでアグニを正常化する為のHOWTOをいくつか処方してくださいました。

⚪睡眠とリラックスの為にゴツゴラティーを寝る前に飲むこと
⚪いつでも白湯を飲むこと
⚪デトックスを促す為、帰国後一週間はハーブ薬(下剤)を続けること
⚪ドーシャを乱す食事は頻繁に摂らないこと、朝食は抜かない
⚪ヨガなどの運動を毎日行い循環を高めること

コンサルテーション最終日にはドーシャ別の食生活についてのアドバイス表をいただきました
これをあと一週間も⁉とちょっと弱気になるほど苦いデトックス用のハーブ薬(下剤)

トリートメントを受けて効果を感じたこと・感じられなかったこと

トリートメント前の症状とその後

⚪首〜後頭部にかけてのコリや頭痛が悪化
→ 後頭部の重さや痛みから解放され、目が開きやすい

⚪梅雨ごろから耳が詰まったような感覚があり聞こえにくい日がある
→ 耳の不快感がなくなった

⚪疲れやすく やる気が著しく落ちていた
→前向きな気持ちが増し、やる気が出た!新たなことをスタートさせたいと感じるように

⚪なんとなく空虚で満たされない感覚
→心身共に満たされてHappyな気持ち

⚪食欲はあまりなかった
→食欲に至っては ちょっと食べ過ぎ?なくらい食事を摂ることが楽しみに

更に・・・
⚪以前はいつも甘いものを欲していたが過度に欲さなくなった
⚪肌艶が良くなった ( 若返った)
⚪ペラッと薄い身体だったがしっかり軸のようなものが通った感覚があり、立ちやすく動きやすい

変化を感じられなかったこと

⚪首のコリは一時的に良くなったが、姿勢のせいもあるのか現在もセルフケアが必要
⚪便秘はプログラム中 「ソフトヴィレーチャナ」という形でハーブ薬に頼って毎日デトックスを促していた為スッキリしていたが食事や運動に気をつけなければすぐに戻ってしまう

一方、一緒に受けていた夫の様子は?というと、、

開始から2日目のランチタイムに 『やっぱり人間の身体って食べたものでできてるんだね』 と、どこかで聞いたことのあるようなフレーズをぼそっとつぶやき、中国に帰ったらまたピッタ上がっちゃうな〜といつの間にかドーシャへの理解を深め、初めてのヨガクラスではティーチャーに倣い、誰よりも太く長〜いオームを唱えていたのだ。

(どこまでもまっすぐな姿にちょっと笑ってしまったのですが、これはよくなるに違いない!と確信しました)

さて、そんな夫の結果は?

⚪お腹周りを絞りたい
→ 帰国後の測定結果、ウエスト3cmマイナス

⚪足のむくみや全身の疲れ、肩こり
→ 肩こりやむくみは解消され、全体的にスッキリした

⚪お腹の弱さ(緩くなりがち)
→ハーブ薬により安定したが、辛いものを食べるとやはり緩くなる為、今後も食生活が課題

⚪運動不足のうえ、暴飲暴食することが多かった
→ 健康への理解と興味が深まり、食事に気をつけるようになった。
また、ヨガを帰宅後も続けたいと帰りの空港でヨガマットをポチッとお買い上げ!
現在も土日は2人で朝ヨガを続けています。(すごい影響力だと思いませんか?)

シンプルに環境を楽しみ、純粋であること(信じること)はどんな治療にとっても大切なことですね。

バライティーに富んだアーユルヴェーダ食はフルーツ以外の甘いものが出る日もありました。
施設内ではいつでもハーブティーが飲めるようにボトルも用意されていました

身体を油剤化(スネーハナ)することはヴァータを鎮める最良のもの

この一週間は本格的なパンチャカルマに比べると短い期間ではありましたが、シャマナ(鎮静療法)と、ショーダナ(浄化療法)の、そのどちらもバランスよく組まれたプログラムだったと感じています。

毎日アビヤンガやシロダーラなどによって全身ひたひたになるまでオイルを入れてもらいうこと、
美味しい食事を味わうこと。よい景色を見て、しっかり休むこと。
またパンチャカルマでいうところの特大イベントのような「中心処置」ではナスヤをしていただき、頭部の重さ原因をしっかり出しきると世界が180℃変わったように思えました。

私はこの日からすっかりナスヤの虜で、帰国後も手に入りやすいミントや生姜などを煮出し、インハレーションと合わせてナスヤをやってみています。(今まで受けた中で即効性という意味では1番だと感じました)

こうして身体にアプローチして隅々までオイルが行き渡ると、痛みは和らぎ、滋養された身体はしなやかで日ごとに元気度が増してゆきます。
胸にぽっかりと空いていた隙間もオイルで満ち満ちになり、なんともあたたかく幸せな気持ちになりました。

最終日のトリートメント内容はこちら

・パーダアビヤンガ
・全身のツインアビヤンガ
・フラワーバス

最終日はうっとりするようなフラワーバスでの発汗♡かわいい〜!
お世話になったセラピストさんがきれいにデコレーションしてくださったそう

こんな方におすすめ

さて、最後に個人的にどんな人へおすすめしたいかというと

⚪自分がどんな傾向(体質)があるか知りたい人
⚪心身の不調を和らげたい人
⚪リラックス・リフレッシュ・リスタートしたい人
⚪今の状態から変わりたいと願う人

パンチャカルマとの大きな違いはコンパクトだけれどバランスのとれた本格的なトリートメントを受けられるという点が最大の魅力でした。忙しい人たちにとって休むことは非常に難しいことと思いますが、チャンスがあれば思い切って環境を変えてみると、自分の心身に向き合う余裕ができるかもしれません。

そんな気持ちの余裕が芽生えたことこそが有益だったように思います。
現在は2ヶ月が経ち、いつもの暮らしに戻りましたが、見える世界がちょっと変わり、また前を向いて歩けるような気がしています。

お世話になった施設はこちら
ヘリタンス・アーユルヴェーダ

※こちらの施設では初めてアーユルヴェーダを受ける方も多いため、ドクターは アーユルヴェーダ用語を使ったコンサルティングは積極的になさいません。

私はセラピストとして知りたいこともあった為、たくさんの質問をさせていただきましたが、初めてお受けになる際はご自身の心身の状態を書き出してみたり、ドーシャについての理解を深めてから行かれると、滞在が更に有意義なものになるここと思います。

また、インドやスリランカでなくても日本でも本格的な浄化療法を受けられますし、
お気に入りのサロンを見つけて連続でアビヤンガを受けてみることも素晴らしい変化が期待できると思います。
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この記事を書いた人

アーユルヴェーダセラピストNao

自由が丘にてアーユルヴェーダサロン Hanautaを営み、ワークショップやマルシェへの出店も通じてアーユルヴェーダの魅力やセルフケアを伝える

現在は家族と共に中国へ移りセラピスト活動は休業中。自身のInstagramで中国生活の中でのアーユルヴェーダを発信している

「自分自身が体験した不調やその対処法をアーユルヴェーダの目線からお伝えすることで、同じ様に悩む方へ解決のきっかけとなれたら嬉しいです」と語る


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