若返りのスーパーフルーツ「アムラ」の活用法


この記事はNPO法人ヴェーダビージャムとのコラボ記事です。NPO法人ヴェーダビージャム代表理事、スパイス料理研究家の中村チコさんのnoteから再編集して掲載しています。今回の記事と連動したYoutube動画も、ぜひお楽しみください


皆さん、アムラって聞いたことありますか?インドやアーユルヴェーダが好きな人なら聞いたことがある、知っている、もしくは食べたことあるかもしれませんが、日本で一般的には知名度は高くないと思います。アムラは果実で生のまま齧ると苦味や渋味や酸味のあるなんとも美味しくない味ですが、健康を保つための素晴らしい効能がとても沢山あって、アーユルヴェーダでは常食が進められています。

私の中では日本の梅と同じような位置づけかなと思うのですが、シーズンがきて果実が出回るようになると甘くしたりジュースにしたり漬物にするアムラ。その色々な調理法をここにまとめようと思います。

アムラのすぐれた効能

アムラの効能は以下の通りです:

<アムラ/amalaki>
◎ラサ→甘味、酸味、辛味、苦味、渋味
◎グナ→軽性、乾性
◎ヴィールヤ→冷性
◎ヴィパーカ→甘味
作用
💫強壮作用、強精作用
💫記憶力や知性を高める
💫目に良い
💫体組織やオージャスを増やす

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インド食材店で買えるアムラ

アムラは若返りの果実とも言われて、常食しなさいと古典書に書かれている果実です。アムラを使ったトリファラというパウダー(※1 アムラ、ビヒタキ、ハリタキの粉を同量でミックスしたもの)は、それだけで1000の使い道があると言われ、アーユルヴェーダでは薬として使用されています。アムラを生で食べるか火を通すか、どちらにしても酸味、苦味、渋味が強いので、食べやすい味付けをすることで摂取しやすくなります。アムラに関してはそれだけで一冊の本が出版されてますので、それを参考にするのも良いと思います。(「アムラの真実」彩流社)

アムラが購入できる場所

ここ数年はアムラが買いやすくなってきたので嬉しい限りです。特にコロナになってからは免疫力高めるためにアムラ需要が増えてる気がします。私は主に、インド食材店アンビカさんで購入しています。

アンビカさんのサイト

アムラのおいしい食べ方

1.アムラのシロップ漬け

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シロップに漬けた状態

アムラを調理する場合、茹でる、蒸す、圧力をかける、という方法があります。色々やってみたところでは丸のまま形を使いたい時は茹でるのが良さそうです。蒸すのは時間によって形を保っていたり房に分かれたりします。圧力をかける場合は形が崩れてもいいジャムなどに適しているように感じます。

アーユルヴェーダ博物館で軽食にお付けしたのはアムラのシロップ漬けでした。アムラに火を通して房に分けて種をとり、それを氷砂糖で煮込んで少量のサフランと一緒に漬けておいたものです。

お砂糖の量はアムラと同量から8割位でお好みで良いと思います。

2.アムラキャンディ

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キャンディというよりグミの食感

アムラを調理して房に分けて種をとり、それをお砂糖と混ぜておきます。そうするとお砂糖が溶けてくるので、そのまま数日漬け込みます。アムラに甘みが入ったらシロップを漉して分け、アムラの果実はそのまま乾燥させます。しっかり乾いたら粉砂糖をお好みでまとわせてアムラキャンディの出来上がりです。

漬け込むお砂糖は粉砂糖でも上白糖でもお好みで大丈夫です。残ったシロップは紅茶に入れたりできますが、アムラの酸味もでているため、牛乳には使わない方が良いです。紅茶に入れるとレモンティーのように色が薄くなります。

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アムラローズ

お砂糖で漬け込んだ際に、ローズペタルも一緒に入れてみました。そうしたらとても綺麗な色がでて面白いことになりました。

アムラの果実を取り分けて干す時もローズペタルも少し加えて、大部分はシロップの方に分けました。ローズペタルは口に入れると少しぼそっとしますがキャンディもうっすらとピンク色になり、中々楽しい出来上がりでした。

ローズは香りも良いですしクーリング作用があるので夏場やピッタ体質の人に最適です。

アムラとシロップを煮詰めて丸ごとのままで漬けたものをインドだとAmla murabbaと言います。火を通しているので長期間保存がききます。

白砂糖、黒砂糖、ジャガリーどれでも良いと思いますが、コクを出したければ黒系、色を綺麗にだすならば白系が良いです。もしくは効能で考えて身体をクーリングする氷砂糖を選んでも良いと思います。

サフラン、カルダモンを少し加えても良いし、お好みでアレンジできます。蜂蜜漬けでも良いと思いますが、蜂蜜は火を通すと酵素がダメになってしまうので禁忌です。お砂糖で作ったシロップならば、残ったものはお湯で割ったり紅茶に入れたりできます。

3.ソルティアムラ

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しょっぱスパイス味

アムラキャンディはそんなに甘さがキツくないですが、それでも甘いのが苦手な場合はソルティアムラにすることもできます。

調理するところまでは同じで、その後シロップには漬けないでスパイス、塩をまぶして乾燥させると出来上がります。軽くて携帯性が良いのと、クミン、アジョワン、ブラックペッパーなどの消化を助けるスパイスが入っているので、旅行などにも持参しやすくオススメの方法です。

4.インスタントピクルス

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味付けはお好みで

アムラに火を通して房に分け、そこにオイルでスパイスをテンパリングさせたものを和えると即席ピクルスになります。

ここで選ぶとしたらオイルの種類。普通の植物油か、胡麻油か、もしあればマスタードオイルも独特の風味が加わって美味しくなります。

写真ではヨーグルトも添えてますが、夜に食べるならヨーグルトはなしの方が良いです。

5.アムラアチャール

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個人的には日本米にも合うと思う

インスタントピクルスは即席ですぐに食べられる方法ですが、しっかり漬け込むことでまた違った味にできます。私は塩、ニンニク生姜のすりおろし、マスタードシード、フェヌグリーク、ターメリック、レッドチリペッパー、レモン汁などで漬け込みました。数日経つと味が馴染んでアムラの苦渋もなくなります。

インド風にするなら、ご飯とラッサム、ヨーグルトにアチャールを全部混ぜて食べると至福🔥

6.アムラジャム

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トーストにギーとアムラジャムのせるのもオススメ

最後にジャムです。火を通したアムラを房に分けて種をとりミキサーにかけます。そこからギー、お砂糖、スパイスなどを加えてジャムにしていきます。

動画のように、アーユルヴェーダエブリデイ編集部さんと一緒に作った時は、それぞれ必要と思われるスパイスを選択して個別に加えたのですが、味わいが全く違う出来になって楽しかったですよ。

これも使うお砂糖の色によって出来上がりが変わってきます。最初にご紹介した書籍「アムラの真実」にも作り方がありますのでそちらもご参照ください。

ここで紹介した他にもジュースにしたりおかずにりしたり検索すると色々見つかります。美味しくアムラの効能を毎日でも取り入れたいですね。


NPO法人ヴェーダビージャム

現代の忙しく複雑なストレス社会を1人1人が健康で心が満ちて暮らせるように古代からの叡智を伝えていきます


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